白内障手術について
当院では日帰り白内障手術を行っています。
通常の白内障症状に加えて、小瞳孔やチン小帯脆弱、外傷後、成熟白内障(白内障が非常に進行した場合)といった一般的に治療が難しいとされる難治性白内障にも対応可能です。
白内障手術の際、稀に合併症が生じ、硝子体手術が必要となる場合がありますが、当院では日帰り硝子体手術にも対応しているため、どのようなケースでも院内で一貫して治療を完結することができます。
白内障手術の手順
白内障手術は、濁ってしまった水晶体を取り除き、代わりに人工の眼内レンズを挿入する手術です。
通常、麻酔時の痛みを伴う注射の麻酔ではなく、鎮痛効果の高い点眼麻酔で行います。麻酔を行っても痛みを感じられる場合は前房内麻酔、テノン嚢下麻酔など強めの麻酔を使用します。
(1)水晶体前嚢を切開する

(2)水晶体の中身を吸引

(3)眼内レンズの挿入

(4)眼内レンズの固定

手術時間は片眼約5~10分程度で、手術後はしばらく院内で休んでいただき、その後ご帰宅いただける日帰り手術です。
術後は感染予防のための点眼薬を継続して使用し、定期的な診察で経過を確認します。
手術が怖い、
痛いのが不安という方に――
低濃度笑気ガス麻酔
低濃度笑気ガス麻酔を使用すると、意識はしっかりしたままで会話もできますが、程よく力が抜けてリラックスできる状態になります。
ガスを止めるとすぐに麻酔効果はなくなります。虫歯治療などで子どもにも使用される安全な麻酔方法です。
昨今は眼科の白内障手術でも、患者さまの緊張をほぐし手術中の予期せぬ眼球運動を気にされる方に向けて広く使われるようになりました。
ご希望の方はお申し付けください。

眼内レンズについて
眼内レンズは若い人の水晶体のようにピントを調節する力がありません。老眼が進んだ状態と同じでピントの合う幅が狭いため、ピントが合わない距離を見る場合には眼鏡を使う必要があります。
眼内レンズには大きく分けて単焦点レンズと多焦点レンズがあります。
単焦点眼内レンズ
保険適用のレンズです。
遠方を裸眼で見えるようにした場合には、手元を見るための眼鏡(老眼鏡)が必要になります。また、近方を裸眼で見えるようにした場合には、遠くを見るための眼鏡が必要になります。
多焦点眼内レンズ
複数の距離に焦点を合わせられるため、遠くも近くも見やすくなります。眼鏡を使用しない裸眼での生活を目指すことが可能ですが、多焦点レンズ特有の見え方が不満につながることもあるため、患者さんのライフスタイルやご希望に応じて適切なレンズ選択が重要です。
使用するレンズに応じて費用が異なり、選定療養(手術や診察は保険適用、眼内レンズ代金のみ自己負担)、あるいは自費診療(手術、診療、眼内レンズ代金全て自己負担)のいずれかの制度に基づいた診療となります。

乱視矯正レンズについて
乱視を矯正する特殊な構造を持った眼内レンズです。
白内障手術では、目の中の濁った水晶体を人工の眼内レンズに置き換えますが、乱視が強い方の場合、通常のレンズだけでは視力の質が十分に上がらないことがあります。特に多焦点レンズではそれが顕著です。そのため、乱視矯正レンズ(トーリックレンズ) を使用することで、乱視を軽減し、よりクリアな見え方を目指すことが可能です。
当院では複数の精密な測定機器と術中ガイダンスシステムを用いることで、精度の高い乱視矯正を行うことができます。


